リモートワークの普及に伴い、顧客とテキスト(メールやチャットメッセージ)でやり取りする機会が増えました。
弊社でもほとんどの場合、テキストを中心としたコミュニケーションで顧客対応を進めていて、電話でのやり取りは少なくなっています。必要に応じてオンラインミーティングを活用していますが、メインはやはりメールやチャットです。
その中で、キャリアが浅い人や若手のビジネスパーソンのテキストコミュニケーションを見ていて、確認が不十分だと感じる場面が少なくありません。時代が急激に変化したという背景に対して教育が追いついていないような気がします。
この記事をクリックして読んでいただいているアナタも、「メッセージのちょっとしたミスで信頼を損なった」「文章で自分の言いたいことを伝えることができず機会を逃した」なんて経験はありませんか?
実際、確認不足のままメッセージを送ることで顧客に迷惑をかけてしまうリスクもあります。顧客の仕事を代わりに担うことで対価をいただいている以上、こちらから送るメッセージやメールの内容は、責任を持って正確かつ丁寧に仕上げるべきです。
「そんなことは当たり前ですよ!」と思われるかもしれませんが、意外とできていない人が多かったり、本人はできていると思っていても管理者からすると改善点がたくさんある、みたいなこともビジネスの現場ではあるあるかと思います。
というわけでこの記事では、メッセージを送る前に確認しておくべきポイントを整理し、特に若手のビジネスパーソンにとって役立つ実践的なアドバイスをお伝えします。ぜひ参考にしてください。
文章は読み返したか
明らかに自分が書いた文章を読み返さずに送っていると思われるメッセージをよく見ます。信じられないかもしれませんが、本当によくあります。意味不明な誤字脱字があったり、一回読み返せばわかることをなぜそのまま顧客や上司に送付するのでしょうか。
メッセージの質も評価されているというマインドに変えたほうが良いです。まず、自分が書いたメッセージは読み返しましょう。
質問に答えているか
メッセージはテキストコミュニケーションです。そうです、コミュニケーションなのです。顧客にメッセージを送付する前に、顧客からの質問に答えているかという観点で確認するようにしてください。
もう一度書きますが、自分が書いた文章は、本当に顧客からの質問の答えになっているのか、という観点で文章を推敲してください。これだけでもテキストコミュニケーションの質は上がります。
文章を書いていると、つい自分の世界に入ってしまい、自分の主張ばかりを書いてしまう人が結構います。質問の答えになっているかという観点を忘れないようにしましょう。
顧客のアクションは明確になっているか
顧客が次に何をしたらいいのか、アクションが明確になっているかという観点で自分が書いた文章を確認するようにしましょう。
確認をしてほしいのか、検討をしてほしいのか、スケジュール調整をしてほしいのか、上司に稟議を上げてほしいのか、それらをいつまでにやってほしいのか、こういった顧客の次のアクションを明確にしたメッセージを送るようにしてください。顧客を動かすのも仕事の一つです。
メッセージは顧客のトンマナに合っているか
ビジネスでのテキストコミュニケーションは、昔に比べると少しフランクになってきていますよね。これはチャットの文化が進んだからだと思っています。Slack、Chatwork、Discord、Messenger、LINEなどですね。
チャットの文化が進んだからといっても、本質的な部分はメールの時代と同じだと思うのです。基本は顧客とのコミュニケーションです。メッセージは顧客のトンマナに合わせるのがベストです。
顧客がきちんと句読点を使っているのに、受託者が絵文字を多用したり、「!」を多用するのはトンマナが揃っておらず失礼です。顧客によっては嫌悪感をいだかれる場合もあります。文章のトンマナは顧客に合わせましょう。
メッセージ送付前のチェックリスト
上記の他に、メッセージ送付前のやや機能的なチェックリストを書いておきます。このチェックリストはできていていて当然というレベルのものです。ざっと書いていきますね。
- 会社名を間違えていないか
- 名前の漢字など間違えていないか
- 誤字脱字はないか
- これ、それ、などの指示語を多用していないか
- 日時や数字は正確か
- 日付は曜日まで記載しているか
- 添付ファイルが本当に添付されているか
- Googleドキュメントなど、編集権限の設定が正しいか
- 感謝や配慮が含まれているか
さいごに
メッセージを送る前の事前確認は意外と見落とされがちで、あまり気にしていない人も多いように思います。でも、この小さな積み重ねが顧客との信頼関係を構築します。
実際に、テキストコミュニケーションを軸として顧客との信頼関係を強固にすることはできます。話さないとわからないというのは幻想です。対面コミュニケーションが良い場合はもちろんありますが、今の時代テキストコミュニケーションのスキルを上げておいて損はないはずです。
今日からチェックリストを習慣化してみてください。質の高い顧客対応を目指しましょう。
メッセージのやりとりはコミュニケーションです。文章作成能力とは違います。コミュ力です。いかに相手を思いやれるか、顧客のことをどれだけ深く考えているかですべて決まります。
「コミュ力」の記事も書いているので参考にしてみてください。