動画のテロップはどのように書いていますか?手入力?ツールを使って文字起こし?
どの方法でおこなったとしても、最後は人の目で確認することになると思います。そして、その確認時に必要となるのが日本語力です。日本人なら日本語を話せるのは当たり前、書けるのも当たり前と思っていらっしゃるでしょう。
試しに問題を出してみます。次の2つでは、どちらが正しいでしょうか?
- 福岡にあるCUEという会社は~
- 福岡にあるCUEと言う会社は~
これは比較的簡単な問題のため、多くの方が正解されるかもしれません。正解は上の「福岡にあるCUEという会社は~」ですね。
こうした細かい話は「ちょっとくらい良くない?」と見過ごしたくなりますが、ビジネスの場においては厳禁!きちんとした日本語が求められます。
特に、to B向けの商材を扱う会社では、間違った日本語で一般消費者に情報公開してしまうと顧客(企業)の顔に泥を塗る行為となるため、動画のテロップ含め、あらゆる文章に気を遣わなければなりません。
前置きが長くなりましたが、今回は「ひらがな表記が正しいけれど、漢字で書きたくなる日本語」を紹介します。
形式名詞(ひらがな表記)
形式名詞とは、実質的に意味をもたない名詞です。形式名詞はテロップでも漢字で書かれていることが多いので注意しましょう。
- こと(事)…カレーを作ったことがある
- とき(時)…困ったときはご連絡ください
- ところ(所)…話していたところに彼女が来た
- もの(物)…大したものである
- わけ(訳)…やめるわけにいはいかない
- ため(為)…悪天候のため中止します
- たび(度)…彼女と話すたびに、心が温かくなる
- ほか(他)…そのほかには意見はありませんか?
- など(等)…日本の伝統文化には、茶道や華道などがある
- ごと(毎)…季節ごとに異なる味わいを楽しめます
※これらの名詞が実質的な意味をもって使われる場合は漢字を使ってよいとされています
(例:時と場合による / 事と次第によっては / 住んでいた所)
接続詞(ひらがな表記)
接続詞とは、文と文、句と句、または語と語を結びつける働きをする品詞です。文章の構造や意味のつながりを明確にする重要な役割を果たします。
- あるいは(或いは)
- あわせて(併せて)
- および(及び)
- かつ(且つ)
- したがって(従って)
- すなわち(即ち)
- ただし(但し)
- なお(尚)
- ならびに(並びに)
- または(又は)
- ゆえに(故に)
- もしくは(若しくは)
助動詞・補助用言(ひらがな表記)
助動詞・補助用言とは、動詞・形容詞の本来の意味や用法が薄れて、上にくる文節の補助の働きをするものです。
- ~のようだ(様)
- ~という(言)
- ~である(有)
- ~でない(無)
- ~している(居)
- ~していく(行)
- ~しておく(置)
- ~してくる(来)
- ~になる(成)
- ~かもしれない(知)
- ~してみる(見)/ ~とみられる(見)
副詞(ひらがな表記)
副詞とは、動詞、形容詞、他の副詞、または文全体を修飾する品詞です。動作や状態の様子、程度、頻度などを表現し、文章に詳細な情報を加える役割を果たします。
訓読みの副詞は、ひらがな表記が基本ですが、漢字を用いた方が意味がわかりやすい場合は漢字にしてもOKです。また、音読みの副詞は原則漢字表記ですが、漢字で書くことが意味を理解する上であまり役立たなければひらがな表記にします。
〈音訓の見分け方〉
発音を聞いても意味がわかりにくいもの:音読み(例)全→ゼン
発音を聞くと意味がわかるもの:訓読み(例)全→まったく・すべて
- ときどき(時々)
- しばらく(暫く)
- なぜ(何故)
- さらに(更に)
- すべて(全て)
- いっぱい(一杯)
- たくさん(沢山)
- ずいぶん(随分)
- すでに(既に)
- もっとも(最も)
常用外漢字(ひらがな表記)
常用外漢字は、日本の常用漢字表に含まれていない漢字のことです。常用漢字表は、日常生活で一般的に使用される漢字を定めたリストで、2010年に改定された現行の表では2136字が含まれています。常用外漢字には以下のような特徴があります。
- 使用頻度が比較的低い漢字
- 専門分野や特定の文脈で使用される漢字
- 人名や地名に使われる特殊な漢字
- 古語や文語で使用される漢字
常用外漢字の中には、意外な漢字も含まれていますので一部紹介します。
- ねじる、ひねる(捻)
- うなずく(頷)
- しゃべる(喋)
- つぶやく(呟)
- ささやく(囁)
本記事のポイント
正しい日本語の使用は、特にビジネスの場面において非常に重要です。本記事では、テロップや文章作成時に注意すべき日本語の表記について解説しました。
品詞や常用外漢字の規則を意識し、正確で読みやすい日本語を心がけることで、クライアントの信頼を得られるようになります。日々の文章作成やテロップ制作において、本記事の内容を参考にしていただければ幸いです。